このブログは2025年3月26日に更新しました。
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「今日もITってる?」
こんにちは。
歴10年IT講師のななです。
こんなデータがあります。
家庭が負担する教育支出の約6〜7割が学校外教育費であることが明らかになっています。
高い割合は、経済状況による教育格差をさらに拡大させる要因です。
文部科学省の調査によると、公立小学校では年間約35万円、公立中学校では約54万円の学習費が保護者によって支出されています。
そのうち、学習塾や習い事などの「学校外活動費」は、小学校で約25万円、中学校で37万円と、全体の約7割を占めています。
デジタルデバイドは、学歴と教育格差に直結しています。
この差は、受けてきた教育の質と密接に関連しています。
例えば、予算の限られた公立の中学・高校では、ICT教育が十分に行われていないため、私立学校と比較して知識や関心が高められない傾向があります。
家庭の経済状況がITリテラシーに影響を与えています。
経済的余裕のない家庭では、最新のデジタル機器やインターネット環境を整えることが困難で、子どもたちのIT学習機会が制限されてしまいます。

TBSドラマ『ユニコーンに乗って』から教育格差の問題とITの重要性について深く考えさせられました。経済的な理由でITへのアクセスが制限される現状は、将来的な機会の不平等につながる深刻な問題です。
しかし、ITは同時にこの格差を解消する可能性も秘めています。
オンライン学習プラットフォームや無料の教育リソースの活用、公共施設でのIT教育支援など、ITスキルを学べる方法が増えています。
このブログを通じて、教育格差の現状を伝えるとともに、ITが持つ可能性と、誰もがアクセスできるIT学習の重要性を考えられないかなと思い、記事を書きました。
このブログでわかること
IT教育格差の現実
IT教育格差の改善
ICT教育の導入の次の段階
ドラマ『ユニコーンに乗って』の概要と教育格差
※画像はこちらで作成しております。ある程度近いイラストに仕上げています。

若き女性起業家と中年サラリーマンの出会いを軸に、スタートアップ企業の奮闘を描いた作品です。
主人公の成川佐奈(永野芽郁)は、教育系アプリを手掛けるスタートアップ企業「ドリームポニー」のCEOです。貧しい家庭で育った佐奈は、教育格差をITの力で解決することを夢見て起業しました。彼女の目標は、10年以内にユニコーン企業(評価額10億ドル以上の非上場ベンチャー企業)になることです。
しかし、売上・技術ともに行き詰まりを感じていた佐奈のもとに、48歳で転職活動を始めた小鳥智志(西島秀俊)が面接にやってきます。プログラミング経験のない中年サラリーマンですが、会社の理念に共感した小鳥の言葉に佐奈は心を動かされます。
物語は、佐奈と小鳥を中心に、共同創設者の須崎功(杉野遥亮)や他のチームメンバーたちとの関係性、そして彼らが直面するビジネス上の課題や個人的な成長を描いていきます。年齢も価値観もバラバラな仲間たちが、互いに支え合いながら、ユニコーン企業を目指して奮闘する姿が描かれています。
また、佐奈にとって起業のきっかけとなった女性起業家・羽田早智(広末涼子)の存在も重要です。羽田は佐奈の憧れの存在であり、彼女の特別講義が佐奈の人生を大きく変えました。
このドラマは単なるビジネス物語ではなく、多様な背景を持つ人々が集まり、共通の目標に向かって成長していく”大人の青春ドラマ”として描かれています。
教育格差の解消という社会的なテーマと、個々の人間ドラマが絶妙に織り交ぜられた作品となっています。
教育格差の実態

日本における貧困層
日本における貧困層は、一般的に「相対的貧困」の定義に基づいて判断されます。
厚生労働省の定義によると、等価可処分所得(手取り収入を世帯人員の平方根で割って調整した所得)の中央値の半分未満の収入しかない世帯が「相対的貧困層」とされています。
日本の子どもの相対的貧困率は13.5%(新基準では14.0%)で、これは約7人に1人の子どもが貧困状態にあることを意味します。
実数では約255万人の子どもが貧困状態にあると推定されています。
具体的な収入額で見ると、2018年時点での貧困線は
- 単身者世帯:約124万円
- 2人世帯:約175万円
- 3人世帯:約215万円
- 4人世帯:約248万円
経済的要因による教育機会の差

経済的な格差が教育機会に大きな影響を与えています。
- 高等学校卒業までにかかる費用は、全て公立に通わせた場合でも約574万円に達します。
- 大学進学の場合、国立大学でも4年間で243万円の授業料が必要となります。
両親の年収が低いほど、高校生の4年制大学への進学率が低くなる傾向があります。
例えば、ある調査では年収300万円以下の世帯では4年制大学進学率が28.2%であるのに対し、1,000万円超の世帯では62.4%となっています。
さらに、低所得世帯の高校生は、経済的要因により進路選択のプロセスが異なることが示されています。学校外教育費、母親学歴、希望進路、在学高校の偏差値のいずれも、低所得層は有意に低いことが明らかになっています
我が国の教育水準と教育費(https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpab200901/1295628_004.pdf)
デジタルデバイドの問題
デジタルデバイドは様々な要因によって生じています。
- 収入・経済的格差
- 教育・学歴格差
- 中心都市と地方の差
- 身体的・精神的障がいの有無
- 高齢化
- ITインフラ・IT人材の不足
- 若者のPC離れ
特に、若年層でも「スマホネイティブ」世代のPC離れが進んでおり、キーボード入力やPCを使ったマルチタスク、ネットワーク構築などの基本的なITスキルが不足している問題が指摘されています。
地域間格差
インターネット利用率に関して、都道府県別で大きな差が見られます。
- 東京、神奈川、埼玉、大阪、福岡などの大都市圏では80%後半〜90%近い利用率
- 青森、秋田、福島、岩手などの東北地方や島根県では70%〜75%の利用率
この格差は、高齢化や地域のIT環境の違いによって生じており、地方の情報格差をさらに広げる要因となっています。
これらの問題に対処するためには、教育への公的支出の増加、ITインフラの整備、デジタルリテラシー教育の強化など、総合的なアプローチが必要です。
また、経済的に困難な状況にある子どもたちへの支援策を拡充し、教育機会の平等を確保することが重要です。
日本のITリテラシーの現状

日本のITリテラシーの現状は、年齢層によって大きな差が見られます。
- 情報リテラシーが高い層は20〜29歳が最も多く、43.5%を占めています。
- 年齢が上がるにつれて情報リテラシーの高い層の割合が低下し、60歳以上では情報リテラシーが低い層が49.5%と最も多くなっています。
全体的には、情報リテラシーが中程度の人が50.2%、低い人が26.9%、高い人が22.9%となっています。
日本は7カ国中5位にとどまっています。
特に教育・人材分野とビジネス管理分野では最下位であり、偏差値35と低い評価となっています。
ICT教育カテゴリーで平均以下の評価を受けており、29カ国中最下位の項目もあります。
教師のICTスキル、ICT教育能力、教師の研修リソース、基本的な機器やオンライン学習プラットフォームの不足などが指摘されています。
世界デジタル競争力ランキングでは、日本は64カ国・地域中32位と過去最低の順位となっています。
特に「ビジネスの俊敏性(変化の激しい市場やビジネス環境に対し、組織が機敏に対応・適応する能力のこと)」の面で56位と低迷しています。
これらからわかるように日本のITリテラシーが低いんです。
日本のITリテラシーが低い理由

- デジタルデバイドの加速
- 地方・高年齢層・低所得者層はインターネットに触れる機会が少なく、都市部・若者・高所得者との格差が広がっています。
- IT教育の欠如
- 2020年以前に小学校を卒業した人々はIT教育が不十分でした。
- 高校生でもネット上の危険やフィルタリングについての理解が不足しています。
- IT人材の不足
- ITの専門知識を持つ人材が少ないため、企業全体のITリテラシー向上が困難です。
- サイバー攻撃やSNSトラブルなどの問題に対応できる人材が不足しています。
IT人材不足の深刻化:2030年までに最大79万人のIT人材が不足すると予測
- 企業のアナログ体質
- 一部の企業では、従来の習慣や高齢化を理由にデジタル化を避けています。
- ITリテラシーの必要性を認識していない企業も存在します。
- 情報過多による混乱
- 大量の情報の中から正しい情報を選別することが困難になっています。
これらの要因が複合的に作用し、日本のITリテラシーの低下を引き起こしています。
ITリテラシーが低いことによる具体的なリスク

- 業務効率の低下
- 基本的なソフトウェアの操作に時間がかかり、単純な作業に多くの時間を費やす
- デジタル機器やツールを使いこなせず、非効率な方法で業務を進める
- 情報セキュリティの脅威
- ウイルス感染や情報漏洩のリスクが高まる
- 簡単なパスワードの使用やフィッシング詐欺のリンクをクリックしてしまう可能性が増加
- メールの誤送信や不適切な情報管理が発生する
- 企業イメージの低下
- 情報セキュリティ事故が発生した場合、企業の信用低下や業績悪化につながる
- SNSの不適切な使用による炎上リスク
- IT化の遅滞
- 新しいツールや仕組みの導入が遅れ、生産性や競争優位が低下する
IT化は企業規模による格差が顕著で、中小企業では70%以上が「未実施」と回答しています。
一方、大企業では約25%が「未実施」と回答しています。
- 正しい情報の判断力不足
- 大量の情報の中から正確な情報を選別することが困難になる
- 人材育成の停滞
- 最新の知識や技術を学ぶ機会が失われ、ITリテラシーの重要性を認識できない
現時点ではIT人材は外国人を占める割合が増加傾向にあります。
2023年10月時点で、日本の情報通信業で働く外国人は8.5万人で、前年比12.4%増加しています。
これは直近10年間で約3倍に増加しました。
日本のITエンジニア全体に占める外国人の割合は、2023年時点で約4%と推計されています。
この割合は2015年の2.6%から上昇傾向にあり、2019年には4.2%まで達しました。
これらのリスクは、企業の競争力低下や成長の妨げになる可能性があります
IT格差の広がり

ITリテラシーが低いと、IT格差が広がっていきます
- 情報収集と活用の差
ITリテラシーの高い人は、より多くの情報を効率的に収集し、活用できます。
一方、低い人は情報収集の手段が限られ、得られた情報の管理にも時間がかかります。 - 業務効率の差
ITツールを使いこなせる人は業務スピードが向上しますが、使いこなせない人は従来の非効率な方法で作業を続けることになり限りある時間の中で生産性の差が広がっていきます。 - 知識の蓄積と共有の差
ITリテラシーの高い人は、得た情報や知識を効果的に蓄積・共有できます。
低い人は情報を属人的に持つことになり、組織全体での知識共有が進みません。 - スキル向上の機会の差
ITリテラシーの高い人はさらなる学習や新しいツールの習得が容易ですが、低い人は新しい技術についていけず、スキルの差が広がります。 - 競争力の差
ITを活用できる個人や企業は、業務の効率化や戦略的な意思決定が可能になり、競争力が高まります。
一方、ITリテラシーの低い個人や企業は、市場での競争力が低下していきます。
これらの要因が相互に作用し、時間の経過とともにIT格差がさらに拡大していく傾向があります
ITスキルの重要性

ワード、エクセル、パワーポイントの重要性
- ワード:
文書作成の基本ツールであり、ビジネス文書や契約書の作成に不可欠。フォーマットの整備や文章構造を理解する力が求められる。 - エクセル:
データ分析や管理を効率化するツール。関数やピボットテーブルを活用することで、業務の生産性が向上する。 - パワーポイント:
プレゼン資料作成のための必須ツール。視覚的に情報を伝えるスキルがビジネスシーンで重宝される。
検索力と情報収集能力
- インターネット検索を通じて正確な情報を素早く取得する能力は、問題解決や意思決定に直結。
- 信頼性の高い情報源を見分けるスキル(例:公式サイトや学術論文)も重要。
日常業務での活用例
- ワードで企画書作成、エクセルで予算管理、パワーポイントでプレゼン資料作成。
- オンライン会議ツール(ZoomやTeams)との連携で効率的なコミュニケーション。
デジタル社会における競争力

ITスキルが競争力に与える影響
- 業務効率化:
タスク管理ツールや自動化技術(Excelマクロなど)を活用し、生産性を向上。 - データ分析:
ITスキルを活用して市場データや顧客情報を分析し、戦略的な意思決定が可能になる。 - グローバル競争力:
デジタル技術を駆使した製品・サービス開発が海外市場でも評価される。
企業におけるITスキルの役割
- DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進により、業界内での競争優位性を確保。
- ITリテラシーが高い従業員は、迅速な技術変化への対応力を持ち、企業全体の競争力向上に寄与。
DX(デジタルトランスフォーメーション)
デジタル技術を使って、今までのやり方を大きく変えること
例えば:
昔は店に行って買い物をしていたけど、今はスマホで何でも買えるようになりました。
銀行に行かなくても、スマホで送金ができるようになりました。
タクシーを呼ぶのに、電話じゃなくてアプリを使うようになりました。
学校に行かなくても、オンラインで授業を受けられるようになりました。
生涯学習とIT教育
技術革新が急速に進む中で、ITスキルは一度習得すれば終わりではなく、継続的な学習が必要。
ITスキル向上がキャリアに与える影響
- キャリアアップ: ITスキルがあることで、高い評価を受ける職場環境や昇進機会が増加
- 求職活動: デジタル技術への理解がある人材は採用市場で有利となり、多様な職種への挑戦が可能
教育機関と企業による支援策
- 学校教育でのプログラミング教育導入(小学校から必修化)。
- 企業による社員研修プログラムや資格取得支援制度。
ただし、教員のプログラミング教育に関する知識不足が指摘されています。ICT活用指導力の研修受講率は地域によって59%~95%とばらつきがあり、指導力に差が生じています。
教育格差の原因

経済的背景
経済的な格差は、子どもの教育機会に大きな影響を与えています。
- 家庭の収入によって、子どもの学力に約20%の開きがあります。
- 経済的にゆとりのある家庭では、塾や家庭教師などの学校外教育に投資できますが、困窮している家庭ではこれらの機会が制限されます。
- 幼児期の旅行や習い事などの体験が、コミュニケーション力や忍耐力といった非認知能力の発達に重要ですが、経済的な制約によりこれらの機会が失われる可能性があります。
家庭環境の影響
家庭環境は、子どもの学力形成に重要な役割を果たしています。
- 親の学歴や収入が子どもの学力を規定する傾向があり、近年の階層差の拡大が学力格差の拡大を招いている可能性があります。
- 家庭内での教育投資(本の購入、インターネット環境の整備、勉強部屋の用意など)が、子どもの日々の文化的環境を形成し、学力に影響を与えます。
- 親の教育に対する態度や期待が、子どもの学習意欲や時間の使い方に影響を与え、結果として学力差につながります。
学校教育のIT教育の遅れ
日本の学校教育におけるIT教育の遅れは、教育格差を拡大させる一因となっています。
- 2018年3月時点で、日本の学校では1台のコンピュータを約6人で使用しており、十分なICT教育環境が整っていません。北欧のデンマークでは2011年時点で1台あたり2.1人〜2.9人であり、日本のICT環境の遅れが顕著です。
- ICT機器の使用に対する懸念(遊んでしまう、指示以外の操作をする)が、積極的な導入を妨げています。
- 教師側のICTスキル不足や従来の授業方法への固執が、ICT教育の普及を遅らせています。
- インターネットやSNSに対する否定的な見方が、ICT教育の導入を阻害しています。
これらの要因が複合的に作用し、教育格差を生み出しています。経済的背景による直接的な影響に加え、家庭環境の差異がもたらす学習機会の格差、さらに学校教育におけるIT教育の遅れが、子どもたちの将来的な機会の不平等につながっています。この問題に対処するためには、経済的支援の拡充、家庭教育支援、そして学校教育のICT化の推進が不可欠です。
ITを活用した教育格差改善の可能性

オンライン学習プラットフォームの活用
オンライン学習プラットフォームは、地理的・経済的な制約を超えて教育機会を提供する可能性があります。
- 「キッカケプログラム」のような完全オンラインの子ども支援プロジェクトが展開されています。このプログラムでは、子ども1人に1台のパソコンとWi-Fiを無償貸与し、オンラインでの学習支援を行っています。
- Edtech教材を活用することで、子どもたち一人ひとりのペースに合わせた学習支援が可能になります。
- 世界中のメンターとつながることで、地域の人材リソースに関わらず安定した学習支援が提供できます。
キッカケプログラム
すべての子どもにオンライン学習の機会を届ける奨学プログラムです。このプログラムは、教育格差を解消するために設計された完全オンラインの子ども支援プロジェクトです。
対象者:
自治体から就学援助受給証明書等を発行されている、小学3年生から高校3年生までの子どもがいる家庭
無償提供:
・パソコンとWi-Fi(希望者のみ)を無償で貸与。
・オンライン学習支援。
・子どもたちの成長をサポートするプログラムパソコンとWi-Fi(希望者のみ)を無償で貸与。
学習支援:
Edtech教材を活用し、子どもたち一人ひとりのペースに合わせた学習支援を提供
生活支援
世界中のメンターとつながり、子どもたちに必要な栄養源である豊かな関係性を築くための支援
定員:100名
参加費:無料
EdTech教材
教育(Education)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた学習ツールやプラットフォームのこと
従来の教科書や紙ベースの教材に代わり、デジタル技術を活用して学習体験をより効率的で魅力的なものにする役割を果たします。
無料のIT学習リソース
無料で利用できるIT学習リソースは、経済的な理由で教育機会を得られない子どもたちにとって重要な役割を果たします。
- 文部科学省が推進するGIGAスクール構想により、多くの学校でICT環境の整備が進められています。
- AIドリルなどのデジタル教材を活用することで、個別最適な学びを提供することが可能になっています。
- オープンエデュケーションリソース(OER)や無料のオンラインコースを活用することで、質の高い教育コンテンツに誰でもアクセスできるようになっています。
オープン教育リソース(OER)
誰でも無料でアクセスし、使用、改変、再配布できる教育資料のことです。
無料アクセス: 誰でも費用なしで利用できます。
オープンライセンス: 著作権者の許可のもと、再利用や改変が可能です。
多様な形式: 教科書、講義ビデオ、シラバス、スライド、ワークシートなど、様々な形態があります。
教育目的: 学習、教育、研究のための資料です。
デジタル技術の活用: インターネットを通じて広く配布されます。
公共施設でのIT教育支援
公共施設を活用したIT教育支援は、家庭環境に左右されない学習機会を提供する可能性があります。
- 図書館やコミュニティセンターなどの公共施設にICT機器を設置し、自由に利用できる環境を整備されています。(導入時期については、各自治体によって異なりますが、多くの自治体が令和3年度(2021年度)から令和5年度(2023年度)にかけて、ICT導入支援事業を実施しています)
- 公共施設でのIT講座や学習支援プログラムを実施することで、デジタルリテラシーの向上を図ることができます。
- 自治体と連携した子育て支援アプリの導入など、ITを活用した行政サービスの提供も進められています。
これらの取り組みにより、ITを活用した教育格差の改善が期待されます。
しかし、依然として地域間格差やITリテラシー格差といった課題も存在していて、これらの解決に向けた継続的な取り組みが必要です。
教育格差解消に向けた取り組み

教育格差解消に向けた取り組みについて、政府のデジタル化推進策、民間企業の教育支援プログラム、地域コミュニティでのIT教育イニシアチブの観点から具体的に説明します。
政府のデジタル化推進策
政府は教育のデジタル化を推進するために、
- GIGAスクール構想
全国の小中学校の児童生徒に1人1台の学習端末を配布し、高速ネットワークを整備しました。これにより、個別最適化された学習環境の提供を目指しています。 - NEXT GIGA(GIGA2.0)
GIGAスクール構想の次段階として、ICT活用の自治体間格差の解消や教員の指導力向上に焦点を当てています。 - 多子世帯への大学無償化
2025年度から、3人以上の子どもがいる多子世帯に対して、大学や短期大学、高等専門学校などの学費を無償化する方針を進めています。これは所得制限なしで実施される予定です。
GIGAスクール構想
文部科学省が2019年に提唱した教育ICT環境の整備を目的とした取り組みです。主に小中学校、高等学校を対象に、
児童生徒1人1台端末の整備
全国の小中学校で、児童生徒に1台ずつコンピュータやタブレット端末を配布。
個別最適化された学習環境を提供し、主体的・対話的で深い学びを実現。
高速大容量通信ネットワークの整備
校内LANやWi-Fi環境を整備し、ICT機器が円滑に利用できる環境を構築。
家庭学習用の通信環境支援も実施。
デジタル教材やソフトウェアの活用
デジタル教科書やAIドリルなどを導入し、児童生徒の理解度に応じた学習を促進。
NEXT GIGA(GIGA2.0)
GIGAスクール構想の次世代版として位置づけられる教育ICT環境の整備計画。目的は、ICTを日常的かつ効果的に活用するための仕組みを整備することです。「自治体・学校レベル」「教職員レベル」「児童生徒レベル」でのICT活用を重視しており、中長期的な視点でのICT環境整備、校務DXの推進、児童生徒の主体的な学びの支援などを目指しています。
端末更新と環境強化
2024年1月に文部科学省が基本方針を公表
既存の1人1台端末を更新し、ICT環境をさらに強化
予算と補助金
国の予算で都道府県に基金を造成
1台あたりの補助金額が5万5,000円に増額(1万円アップ)
調達方法
都道府県単位の共通仕様に基づく共同調達を原則とする
端末スペック
Windows 11 ProまたはEducation相当のOS
Intel Celeron N4500以上のCPU
64GB以上のストレージ
8GB以上のメモリ
民間企業の教育支援プログラム
民間企業も教育格差の解消に向けて、様々な支援プログラムを展開しています:
- さくらインターネットの取り組み:
- 高専支援プロジェクト:
全国の高等専門学校生向けにクラウド・IoTサービスの体験学習や教材の共同制作を行っています。 - KidsVenture:
他のIT企業と協力し、子ども向けプログラミング教室を運営しています。 - さくらの学校支援プロジェクト:小学校でのプログラミング教育必須化に対応し、教育委員会や学校への支援を実施しています。
- 高専支援プロジェクト:
- NTTコミュニケーションズの「まなびポケット」:
デジタル教科書やドリル教材、学校運営ツール機能を提供する教育クラウドプラットフォームを開発し、学校に導入しています。 - 大手ソーシャルゲーム会社の取り組み:
SNSの使い方等について講演を行い、児童の情報モラル向上を支援しています。
地域コミュニティでのIT教育イニシアチブ
地域レベルでも、IT教育を通じた教育格差解消の取り組みが行われています:
- コミュニティ・スクールの活用:
地域に最適化された教育を推進し、町と連動したスピーディーな学校改革を実践しています。 - 遠隔交流授業の実施:
テレビ会議システムを活用して、町内の学校同士を繋いだ遠隔交流授業を行っています。 - 公共施設でのIT教育:
図書館やコミュニティセンターでICT機器を設置し、自由に利用できる環境を整備しています。 - 地域企業との連携:
地元のIT企業と連携し、プログラミング教室や技術講習会を開催しています。
これらの取り組みにより、政府、民間企業、地域コミュニティが一体となって教育格差の解消に向けた努力を続けています。しかし、ICT利活用の自治体間格差や教員の指導力不足など、まだ多くの課題が残されており、継続的な改善と支援が必要です。
ITスキル習得が社会の平等に与える影響は

ITスキル習得は社会の平等に大きな影響を与えています。
デジタルスキルの向上は、現代社会において競争力を高め、生活の質を向上させる重要な要素となっています。
ITスキルの習得は、教育や雇用機会の平等化につながり、誰もが社会の一員として平等に参加できるように促進します。
すべての人がデジタルテクノロジーにアクセスし、活用できるようになることで、情報格差が縮小し、各層の人々が同様のチャンスを得られるようになります。
また、リモートワークや学習の普及により、地理的な制約が減少し、地方と都市の格差も軽減される可能性があります。多様な背景を持つ人々がテクノロジーを利用できるようになることで、コミュニティの結束力も高まり、社会全体がよりインクルーシブで調和のとれたものとなります。
一方で、デジタルディバイドの解消が進まない場合、教育格差や就職機会の格差など、社会に大きな影響を与える問題に発展する恐れがあります。
特に、経済的に恵まれない人は情報技術にアクセスできないことで社会的な孤立が進行するリスクがあります。
したがって、ITスキル習得の機会を広く提供し、デジタルディバイドを解消することは、より平等で多様な社会を築くために重要です。
教育と啓発を通じて、誰もが平等にICTにアクセスし活用できる社会を目指すことが、社会の平等化につながるのです。
まとめ

ITスキルの習得は、現代社会を生き抜くための必須能力となっています。デジタル化が進む世界において、基本的なITリテラシーは、個人の競争力や生活の質を大きく左右します。
しかし、現状では年齢や経済状況、地域によって大きな格差が存在しており、この問題の解決には社会全体での取り組みが不可欠です。
政府、民間企業、教育機関、そして地域コミュニティが一体となって、誰もがITスキルを習得できる環境を整備することが求められています。
ドラマ『ユニコーンに乗って』は、教育格差の現実を描きつつも、ITの力で格差を乗り越えようとする人々の姿を通じて、希望と挑戦の精神を私たちに示してくれます。
この物語から学ぶべきは、困難な状況にあっても諦めずに前進し続ける勇気と、テクノロジーが持つ可能性への信念です。
教育格差の解消は容易ではありませんが、社会全体が協力し、一人一人が努力を重ねることで、より公平で豊かな社会の実現に近づくことができるでしょう。